国際温泉評論家 山本正隆のココシカ温泉談義
TOP > サイトマップ > _ > 温泉に泊まりながらドイツ・スイス・オーストリアを巡る旅  その1 温泉王国ドイツから (2011)

温泉に泊まりながらドイツ・スイス・オーストリアを巡る旅  その1
         温泉王国ドイツから (2011)
 山と温泉が好きな美人を誘ってドイツ・スイス・オーストリアを巡る旅をした。ミュンヘンから入り、先ずはエルディング、ベーブリンゲン、バーデン・バーデン、バーデンヴァイラーと四つの温泉地を訪ねた。

温泉に泊まりながらドイツ・スイス・オーストリアを巡る旅  その1

    温泉王国ドイツから

旅のテーマ <温泉と山岳ヴュー>

 山と温泉が好きな美人を誘って「温泉に泊まりながらドイツ・スイス・オーストリアを巡る旅」をした。アルプスのモンブランを登頂したり、ヨセミテの岩山を攀じたりした実績を持つ人たちだから山好きは本物である。山好きな女性のことを近年「山ガール」と呼ぶのだそうだが、ガールは中学校の教科書では少女のことだった。最近のことはすぐに忘れる齢になってしまったが、昔習ったことは憶えているので、今回の仲間を「ガール」と呼ぶことにはいささか躊躇せざるを得ない。かといって「山姥」ではいかにも失礼である。だから「美人」と呼ぶ。国際温泉評論家の立場からすると、海外で一緒に温泉に浸かってくれる女性は、いずれも間違いなく「美人」である。
 温泉好きの人がヨーロッパで温泉というと先ずはドイツのバーデン・バーデンである。また山好きが満足する旅となると、スイスやオーストリアのチロルの山岳ヴューを取り込まねばならない。国際温泉評論家が案内するのであるから毎日温泉に浸かるという拘りもある。あれやこれやを結び、おまけに彼女たちが未踏だという観光地などを組み込んでできた計画が、ミュンヘン着発のレンタカーで回る反時計回り12泊14日の旅である。今年のヨーロッパは天候不順だったということもあり、山岳ヴューでは一部割愛した場面もあった。しかし温泉に関しては毎日温泉に浸かるという拘りは全うした。また国際温泉評論家としては海外入浴100湯(温泉施設)が達成できたので大変満足している。

1日目 エルディング温泉Therme Erding

  南ドイツに直行便で入ろうとするとミュンヘン空港である。この空港が便利なのは、ごく近くのエルディングという町に良い温泉があるからである。昨年から全日空も直行便を飛ばしている。成田を正午に発って夕方5時にはミュンヘン空港に着く。6時にはレンタカーの借出し手続きなどを済ませてエルディングのホテルにチェックインできる。6時と言ってもヨーロッパは緯度も高くおまけに夏時間なのでまだ日は高い。温泉に浸かるのに十分な時間がある。
 エルディングには「ヨーロッパ最大規模」を誇る巨大な温泉館がある。ドイツで新設されたりリニューアルされる温泉館では、サウナエリアが充実しているのが特徴であるが、特にこのエルディング温泉は途方もなく広いサウナゾーンを確保している。ヨーロッパの象徴的温泉であるバーデン・バーデンには、男女が共に裸で入る伝統的温泉館がある。いきなりそこに行って戸惑うことがないように、旅の初日に裸の混浴に慣れておく必要がある。その点エルディング温泉のサウナエリアには、水着ゾーンに引けをとらない広い温泉プールがあり、また大勢の老若男女が裸でうろうろしているので、目を慣らすのにはちょうど良い。また雑誌のグラビアから抜け出したような美形が滅多にいるわけでもなく、むしろ醜姿というべき多くの人達が何の衒いもなく自然に振る舞っている状態を目にすると、日本人としても羞恥心や劣等感を抱く必要が全くないことが良くわかるのである。
 サウナの受付でバーデマントル(バスローブ)の貸出がある。持っているか?と尋ねられたので「これが日本のバーデマントルだ」と持参した浴衣を見せた。受付のおねえさんは目を丸くして「それは素晴らしい」といってくれた。脱衣所で裸になり、シャワーを浴びてから浴衣を着流して、先ず広いサウナエリアの多様なサウナ室や温泉プール、さらには食堂やアイスクリームスタンドなどを探索してまわった。日本の温泉浴槽のように浅くて成分が濃い浴槽もある。
  中央に屋外にまで広がったガラス張ドームの広い温泉プールがあって、その中に島状になった湯中スタンドバーがある。そのスタンドで何かドリンクを飲むことがドイツ温泉のイニシエーションになる。デッキチェアに浴衣とバスタオルを置いてブールに入った。プールは深くて立って肩まで浸かるので、湯中スタンドに辿り着こうとすると背の低い人には手助けがいる。スタンドで旅の門出を祝してジュースで乾杯した。
その後は気に入ったサウナ室で汗を流したり浅くて濃い温泉プールに浸かったりと散々遊んでホテルに戻った。ホテルの食堂は結構混んでいたが、我々のために別室に5人用の円卓を用意してくれた。ここではドイツに来たのだからとビールで乾杯した。
 
参照―――――温泉に泊まりながらドイツ・チェコ陶磁器コレクション鑑賞ツアー
               その7 ミュンヘン郊外・エルディングの温泉
ミュンヘンの郊外にドイツで人気No.1の温泉館がある。美人陶芸家を案内してミュンヘンのニンヘンブルク城の陶磁器コレクションを鑑賞した後、そのエルディング温泉に浸かってきた。

2
日目 100湯目を達成してBaden-Baden

ヨーロッパの温泉に行くのなら「何はともあれバーデン・バーデンへ」と連れの美女達は言う。バーデン・バーデンは前泊したエルディング(ミュンヘン空港の近傍)から東方約280`だが、アウトバーンが通じているので時間はかからない。ところで今回の旅を企画した自称国際温泉評論家はすでに海外の99の温泉施設で入浴していて、あと一つで100湯になる。一つの目標でもあった100湯達成には新しく未浴の温泉を選ばなければならない。バーデン・バーデンではすでに何度も入湯したことがあるので、途中で一浴しようと目論んだ。
 ネットで探して、丁度ミュンヘンから東へ向かうアウトバーンA8からあまり離れていないベーブリンゲン(Böblingenスツットガルトの近く)という町にミネラルテルメ(Mineraltherme)という良い温泉を見つけた。案の定行ってみると記念すべき海外100湯達成の温泉として文句のない良い温泉だった。同行の美女たちも祝福してくれ、家内が用意してくれた「祝海外100湯達成」の横旗を手にして記念写真を撮った。
 その後カールスルーエに出てアウトバーンをA5に乗り換えて南下すれば、バーデン・バーデンは遠くない。行きつけの温泉ホテル・バーディッシャーズホフは経営がシュタイゲンベルガ―からラディソンブルーに変わっていた。
 早速部屋のバスタオルとバスローブを持ち出してカラカラテルメに行った。カラカラテルメはヨーロッパの現代的レジャー形温泉館の元祖なのだか、時代の流れで先年サウナエリアを屋外に広げた。今回は大きな変化はなかったがただ4年前に比べて入館ゲートの入り方とロッカーの鍵のかけ方が最新のICチップ方式に代わっていた。

参照――――― ブリンゲン <ミネラルテルメ>(海外100湯達成)―――――
    シュツットガルトの近くの町ベブリンゲンにミネラルテルメという良い温泉がある。丘の上に聳える立派な温泉館があり、造りの良い温泉プール、サウナ、サウナガーデンと三つのゾーンが設けられている。


3日目ローマン・アイリッシュ式の温泉を訪ねる 
            バーデンヴァイラー バーデン・バーデン
 
バーデン・バーデンがヨーロッパの象徴的温泉地として有名なのは、1877年に建てられたフリードリッヒ浴場という立派な建物の温泉館があるからである。フリードリッヒ浴場ではローマン・アイリッシュ(Römisch-Irisches)入浴方式という伝統的入浴方式を今もって堅持している。自由で遊び感覚の現代的温泉館が続々と出現している中で、決められた手順に従って入浴するローマン・アイリッシュ方式が生き残っているのは、この方式の入浴が特別に癒し効果が高いと感じられるからであろう。
ヨーロッパの温泉を案内する立場からは、是非ともこの伝統的入浴方式を体験してもらわなければならない。ローマン・アイリッシュ方式の入浴施設はバーデン・バーデン以外に、ドイツやスイスに数か所ある。国際温泉評論家を標榜する手前、いろいろな同方式の温泉を体験してきたが、この日は有名な温泉でただ一つ未体験だったバーデンヴァイラー温泉に行ってみることにした。
バーデン・バーデンからアウトバーンA5で120キロほど南下したシュヴァルツヴァルトの中に、由緒ある温泉地バーデンヴァイラー(Badenweiler)がある。そこの大型温泉施設カシオペア・テルメ(Cassiopeia Therme)には温泉プールエリア、サウナエリアに加えてローマン・アイリッシュ方式の入浴エリアがある。先ずそのローマン・アイリッシュに入ってリラックスした後、館内のレストランでランチをした。
 カシオペア・テルメは結構時間がかかったので、バーデンヴァイラーを後にして一気にバーデン・バーデンに帰った。バーデン・バーデンの本命、元祖ローマン・アイリッシュ方式のフリートリッヒ浴場(Friedrichsbad)へ行かねばならない。この浴場は海外温泉初体験の浴場である。以来20年間に数回訪れているが、細かい点例えばロッカー、マッサージの台、あるいはミストサウナの造りなどが少しづつリニューアルされている。
今回は男女の入浴ルートが変わっていた。この格調高い温泉館は中央の豪華円形浴槽を中心に左右対称に浴室が配置されており、従来は男女は左右に分かれて入り中央に達すると初めて顔を合わせる(混浴になる)というものだった。それが今回は男女が最初からミックスで、右側の従来は女性専用ルートだったところから入った。すなわち浴場の右半分しか使っていないということだ。入館者が減ってきてコスト削減をしているのかもしれない。フリートリッヒ浴場は裸入浴ということで知られていたのだが、ドイツでは今や裸入浴の温泉は珍しくない。ローマン・アイリッシュ方式のように療養を意識した入浴は煩わしいと思う人が増えたのかもしれない。入ってみると癒し効果は抜群であることが分かるのだが。
 
参照―――――― バーデンヴァイラー <カシオペアテルメ>――――――――
    南部ドイツの黒い森の中ほどに、ローマ時代に開発された由緒正しい温泉地バーデンヴァイラーがある。そこの温泉館カシオペア・テルメには由緒正しい入浴方式であるローマン・アイリッシュ温泉もある。

参照―――――――ローマン・アイリッシュ浴場――――――――――
ヨーロッパの象徴的温泉地バーデン・バーデン。そこの伝統的温泉館フリードリッヒ浴場はローマン・アイリッシュ方式という仕組みと手順に従う温泉である。ドイツやスイスには各地にこの方式の温泉があってそれを巡るのも楽しい。

<< 戻る >>

*