国際温泉評論家 山本正隆のココシカ温泉談義
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温泉に浸かりながらゴルフをする旅
         
                        
<安曇野と妙高高原の温泉>


 温泉好きが毎冬「燕温泉」に泊まってスキーをする会がある。40年位続いている会である。会員が歳を取るにつれ、スキーをするための体力維持という名目で夏季合宿と称して燕温泉を拠点にゴルフをするようになった。夏季合宿が定着してからも四半世紀が経った。今年も「あづみ野CC」と「赤倉GC」でゴルフをしてきた。会のメンバーはもともと温泉好きだから、夏季合宿の過程で五つの温泉に浸かった。
 
馬羅尾天狗岩温泉 <すずむし荘>

 ゴルフは二日続けてプレーする習わしになっており、初日は「あづみ野CC」である。以前は早朝に首都圏を発っていきなりゴルフを始めていたが、それでは運転手が疲れる。最近では前日に信州に入り、温泉に浸かって体を休めるように旅のスタイルが進化した。今年は9時に横浜の自宅を出て、小田急の鶴川駅でメンバーの一人をピックアップして信州に向かった。国立府中ICから高速に乗り、甲州の双葉SAで珈琲ブレイクをした。信州に入って豊科ICで高速を降り、近くで蕎麦を食した後、松川村の温泉「すずむし荘」に浸かった。
 「すずむし荘」には広い庭に造りの良い露天があって気に入っている。開湯から20年ほどが経ち、庭の垣根になっている栃の木が驚くほど大きくなった。夏だから葉も茂りたくさん実がなっていた。
 青木湖畔にある仲間で建てた山小屋に泊まった。関越道・上信越道経由でやってきた仲間は白馬村の「みみずくの湯」に入ってきたそうだ。
 
参照                            馬羅尾天狗岩温泉 <すずむし荘>
安曇野・山麓線(県道)沿いにあるラドン温泉。広い庭に設えられた露天は解放感があって気持ち好い。

参照                                     八方温泉 <みみずくの湯>
「みみずくの湯」はJR白馬駅に近い八方温泉系の共同浴場である。半露天の西が開けていて白馬三山から八方尾根までの山並みが綺麗に望める。

あづみ野CCの温泉

 夏は暑いので特に歳を取ると平地でのゴルフはかなわない。だからできるだけ高地でと「あづみ野CC」を選んでいる。標高はほぼ900米なので気温は平地より5℃は低いはずだ。あづみ野CCでゴルフをするもう一つの理由は、クラブハウスの浴場が好い温泉だからである。天下の名湯・中房温泉から引湯していて、ガラス張りで露天風呂風の造りの良い岩風呂がある。浴槽には循環湯の注ぎ口とは別に少量だが常に源泉が掛け流されていて、飲湯も可能になっている。ゴルフの後はクラブハウスの浴場で湯に浸かるのが一般的だがそれが温泉だと大変得をしたような気がする。
 入浴後は食堂で良く冷えた西瓜を食べることにしている。安曇野の西瓜の名産地として知られる波田の西瓜なので甘くて旨い。その後は妙高高原まで高速に乗って燕温泉に行った。

燕温泉

 
ほぼ40年にわたって定宿にしているのが「岩戸屋」である。温泉が気に入っていることもさることながら、美人女将がにっこりと迎えてくれるから、会としても浮気をする気は全くない。女将が美人なら旦那もイケメンで、若女将ももちろん美人である。そういう宿だから仲居さん、板さん番頭さん達が、皆さん「にっこり」ができるいい人達で顔なじみになっている。夏休みに実家へ帰るような気持ちで今年も「岩戸屋」へ行った。
 着いたらすぐに温泉に入るが、夕食に呼ばれて一階の食堂に集まる前に温泉に「ざぶん」と浸かって禊をする。タオルなどはそのまま食堂に持ち込んで食後にまた「ざぶん」。そして寝る前にまたもう一度湯に浸かるというのが会の仕来りである。
 燕温泉には旅館街から歩いて10分ほどのところに二つのワイルドな露天風呂があって、温泉好きや妙高山に登る人たちに人気がある。一つは「黄金の湯」といって元はスキー場のゲレンデの中ほどにある。あとの一つは「河原の湯」といって吊り橋を渡って行く渓谷沿いの露天である。いずれも無人で無料だし、特に「河原の湯」は白濁の混浴が売りで大いに賑わっていたのだが、先年土砂崩れに遭って一時閉鎖されていた。その「河原の湯」が昨年(2011年)再建オープンしたので会としても喜んでいる。今年も3日目の早朝目覚ましに浸かりに行った。
 
参照―――――――越後の温泉
 越後は関東から高速道路が真っ直ぐ北に延びているので比較的近い。また妙高山麓の秘湯・燕温泉を定宿にしている関係上身近な地域と考えてしまう。新潟県は美人県だから温泉に行けば美人女将に会える気がするのだ。

赤倉観光ホテルの温泉

 二日目のゴルフは「赤倉ゴルフクラブ」である。このクラブは以前川奈と同じオークラの経営で、メンバー同伴か観光ホテルの宿泊客しかプレーできないという気取ったゴルフ場だった。その時分は燕温泉を関山の方に下った「妙高CC」でプレーしていたが、最近は経営が変わって庶民的になった赤倉GCに移った。赤倉は標高800米ほどであづみ野CCよりは少し低いが、妙高CCよりは少し高い。
 それよりなによりゴルフをすると赤倉観光ホテルの温泉が利用できるのがよい。ホテルには格調高い温泉浴場があって、以前から何度か浸かりに行ったことがある。それが昨年すっかりモダンなスパにリニューアルされた。ホテルの経営が変わって別館を造ったり設備投資も積極的になったという話だ。新しく「スパ」を称するようになった温泉には初めてである。渡り廊下を通ってエレベータで降りた別館の一階に温泉はあった。
 ホテルは広いスキー場の中ほどに建っており、玄関は山側だが温泉の眼前はゲレンデが下に向かって拡がり、その先に妙高高原の街が見える。更にその先には班尾や遠くに志賀高原の山並み、またその右には光っている野尻湖の水面が見える。このように斜面に建っているという立地を活かして、露天風呂にも目隠しがない。湯に浸かったまま素晴らしい高原の景観を望むことができる。以前の浴場に露天はなかったから、リニューアルの効果を高く評価していい。
 脱衣所の奥に妙高山に湧く名水が掛け流されている。浴後の水分補給にはなかなか気の利いた仕掛けだ。

くわどり湯ったり村

 燕温泉での夏季合宿を終えて、別の仲間と会うために再度信州は青木湖畔にある山小屋へ向かった。山小屋は自炊である。だから途中日本海岸の能生に回って蟹や魚の調達することを思いついた。同時に温泉情報誌を見て、能生までの途中に温泉があることを知った。「くわどり湯ったり村」という変わった名前の宿泊もできる温泉施設だ。「くわどり」とは漢字では「桑取」と書くらしい。日本海へ注ぐ「桑取川」の上流域にある温泉である。
 場所は上越市内だし、地図をみて近いと思ったのは大間違いで、高田から峠を七つも越える大変なアプローチだった。舗装こそされているが、対向車との離合もままならない細い道で、果たして先に温泉があるのかと不安になった。七つ目の峠を越えて桑取川に辿り着くと人家も目につくようになり、道も広くなってホッとしたものでる。更に桑取川を遡って行くと、アプローチの厳しさからは予想外の大型で立派な施設がすぐに目についた。上越市の第三セクタが運営しているという。
 週日の午前中だから当然かもしれないが、広い駐車場に駐まっている車は少ない。それでも受付にはにっこりのお姉さんが二人いた。浴室には先客が二人いたが、結構広い露天は貸切状態だった。岩造りの湯船に31℃の透明な単純泉が加熱されて注がれている。温度が熱めに設定されているので夏場に長湯は出来ない。その代り湯舟の周りが広くとってあって、涼み処としてベンチやデッキチェアが設えてある。ハードなドライブを癒すには十分に良くできた温泉だった。
 帰りは桑取川に沿って下ったら、楽に日本海岸の国道8号に出ることができた。計画通り能生でカニとチヌを仕入れ、糸魚川から国道148号を南下して山小屋に入った。

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