国際温泉評論家 山本正隆のココシカ温泉談義
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温泉に泊まりながらスイス・フランス・イタリアの古城を巡る 

        その2 古城巡りとユンクフラウヨッホ (2012)

古城巡り

 この日は山を予定していて7時から朝食を摂ったが、生憎雨模様だったため翌日に予定していた古城巡りに切り替えた。トゥーン湖から近いスイスの名城と言えば先ずはグリュエール城である。湖の南岸に回り込みジンメ谷を遡って途中から東に向い、標高1608mのヤウン峠を越えて下って行くと、谷が広くなりその中の丘の上にグリュエール城が聳えているのが見えた。城に向かって丘を登る道の脇に駐車場があった。最も城に近い上の駐車場は満車状態だったが、幸いにも一台の空きを見つけて駐車できた。もう20年も前の話だが、以前来たときにはお城の門前街の中まで車で入って適当に車を駐めることができた。今では街に外来車の乗り入れは禁止されている。
 城は順路に従って見学するようになっている。辺りに日本人は全く見かけないのだが、ちゃんと日本語のガイドパンフレットが用意されていた。古城評論家には興味深いものらしく、順路に従うと見学には時間がかかる。この城は実際に戦いもあった本格的な城で、戦いの様子を描いた絵も飾られていた。城主のベッドは意外に粗末なものだったが、食堂に飾られていたのは古伊万里の磁器で、当時のステータスを示すものなのだろう。
 グリュエールはスイスチーズの中でも人気のチーズ産地である。スイスの民族料理として名高いチーズフォンデューには、もっぱらグリュエールチーズを使うのだそうだ。門前街のレストランでランチに本場のチーズフォンデューを食した。融けたチーズがちょっとしょっぱいのだが、それが本場の味だ。
 近くにビュールという大きな街がある。その街の中央部にあるビュール城を観に行った。グーグルの航空写真で見当を付けていた傍の駐車場は、何かの工事中で使えなかった。別の駐車場を探すのに苦労したが、その甲斐もなく城は閉まっており、やっと中庭に入れただけだった。
 ビュールからアウトバーンでホテルに帰ろうとするとベルンを経由することになる。ベルンはスイスの首都だし、世界遺産の街でもあるので寄ってみた。街の中は車の通行禁止や一方通行の通りが多く、小雨が降っていたのに土曜日の午後だったからか人出も多い。適当な駐車場も見つからなかったので、やっと通り抜けをしてアウトバーンに戻った。ここでも20年前とは様変わりだ。
 途中でアウトバーンを降りて、地図にあったキーゼン城に寄ってみた。街角に標識も出ていて門の紋章は立派だったが、城とは名ばかりで中はプライベートの屋敷のようだった。古城評論家先生はがっかりの様子だ。それに引き換え、トゥーンまで帰ったとき街の中心に聳えるトゥーン城は立派だった。しかし付近に駐車スペースが見つからず、道端に車を留めて先生だけがちょっと見てくるからと城に登って行った。その「ちょっと」が一時間だったので車で待たされた方は退屈きわまりない。
 ホテルに戻ったら早速温泉である。今日は生憎の天気で山はさっぱり見えなかったが、四つの城を巡ったので城好きは満足したであろう。チーズフォンデューが初めてだった者もいたのでそれはそれで好かった。

トップ・オブ・ユーロプ

 次の日も雲は低く垂れこめ今にも雨が降り出しそうだった。しかしTVで観光地のライブカメラ番組を見ていると、ユンクフラウヨッホは晴れているではないか。ともかく今回の旅は鉄道ファンにも喜んでもらわねばならない。半信半疑ながら山に向かって登山電車にのることにした。ユンクフラウ鉄道はインターラーケンから「トップ・オブ・ユーロプ」と呼ばれているユンクフラウヨッホまで、電車を3〜4回乗り継いで登って行くのだが、途中はグリンデルヴァルト経由とヴェンゲン経由の二つのルートがある。その両方のルートを体験したいと、分岐点のツヴァイリュッチネンまで車で行った。
 ヴェンゲン経由の左回りで行く電車で途中まで行ったが、ルート上に何かのトラブルが発生したとのことで一旦振出しに戻って右まわりのグリンデルヴァルト経由で登ることになった。晴れていればグリンデルヴァルトから威圧的なアイガー北壁を仰ぎ見ることができるのだが、この日はすっぽり雲に包まれている。二つのルートが合流するクライネシャイデックも霧の中だった。クライネシャイデックから終点のヨッホまでは、岩山アイガーのどてっぱらを穿ったトンネルの中を電車が急角度に登って行く。100年も前によくも造ったものだ。さすがに観光立国である。
 ヨッホはTVで見た通り快晴だった。標高が3500m程だから雲の上に出たのである。電車が停まるのはトンネルの中だが、表に出ると右にユンクフラウ(4158m)、左にメンヒ(4099m)、正面に世界遺産のアレッチ氷河がゆったりと下っている。いわゆる駅ビルに相当する展望台はリニューアルされ、仲間とはぐれたらなかなか再会できない位に迷路になっていた。めぐり逢えたところで持参したサンドイッチでランチをした。
 クライネシャイデックまで下りた時はまだ霧の中だったが、ヴェンゲンまで下りると今度は雲の下に出て、典型的なU字渓谷であるリュッチネ谷がよく見えた。この谷の象徴でもあるスタウブバッハ滝も全貌を観ることができた。そのような訳で、この日は山好きと鉄道好きは満足だった。古城好きの機嫌をとるためにホテルへの帰る途中、トゥーン湖の東端にあるヴァイセンナウ城址に寄った。水路を抑えていた城だったのだろうが、今は廃墟になっている。今回の旅では7番目の城である。
 城址からは20分ほどでホテルに帰ることができる。さあ帰って温泉だ。

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