国際温泉評論家 山本正隆のココシカ温泉談義
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忘年温泉の旅 <南伊豆> 
2012

丸野高原温泉 <万天の湯>

    温泉好きの仕来りの一つとして12月に個人的に忘年温泉をすることにしている。しばしば温泉地に泊まり込みで忘年会をしていた現役時代の名残であろうか。このところ伊豆へでかけている。伊豆半島はいわば温泉半島であるから、選択に迷うほど温泉はある。その何処へ行くにしても行きがけに霊峰富士を眺めることができるのが良い。今回は箱根新道から大観山の展望台に寄って珈琲を喫しながら富士を眺めた。富士見には絶好の快晴で、西側の裾野の彼方には雪を被った荒川岳・赤石岳・聖岳など南アルプス連峰も見えた。
伊豆スカイラインを南下し、冷川ICから天城高原へ向かう途中にある「万天の湯」に立ち寄った。「超眺望」を謳う温泉だけあって、正面に雄大な富士、その西側には北岳から聖岳へと連なる南アルプスを望む展望風呂と半露天がある。富士見温泉としては最高の立地である。pH9、77℃、の透明のお湯が掛け流されている良い温泉なのだか、悲しいことに今年いっぱいで廃館だとか。伊豆市の市営施設で赤字が続き、このご時世のためにリストラされるという。なんと勿体ないことか。市では目下買い手を公募しているらしいが目途はついていないらしい。
 山道を走って湯ヶ島へ降りた。国道414で天城越えをして下田へ出た。途中の「道の駅天城」でランチを摂った。この辺りは「わさび」が売りのようで、あらゆるメニューにわさびが関わっている。「わさび葉揚げ」の入った天丼を食した。

吉佐美温泉 <銀の海>

 恒例の忘年温泉はこのところ土肥・堂ヶ島・下賀茂と西伊豆から南へ下って来た。今回はついでに南端までと思ってネットで探し、石廊崎の近くに温泉宿を見つけて予約を入れた。伊豆スカイラインを南下して途中「万天の湯」で立ち寄り温泉をした後、湯ヶ島に降りて国道414で天城越えをして下田に出た。下田から石廊崎に向かう海岸通りを走っていると下流というところに予約していたプチホテル「銀の海」があった。うっかりすると通り過ぎてしまいそうなさりげない佇まいである。早く着いたので女将に尋ねて「あいあい岬」まで足を延ばした。宿からは10分もかからない景勝の地である。確かに素晴らしい海岸風景だったのだが、風が強くて写真を一枚撮っただけで宿へ引き返す仕儀になった。
 「銀の海」は地魚料理が売りの宿らしい。夕餉の刺身はイサキがメインでマグロが無いことが地魚志向の姿勢を表している。一匹付のカサゴの唐揚げや金目鯛の煮つけが美味だった。また温泉宿なのに温泉の看板を掲げていないのは奥ゆかしい。少し離れた吉佐美という所に持つ自家源泉からお湯を運んできているのだそうだ。それでも半露天の付いた大浴場では24時間入浴ができる。それとは別に玄関から一度外に出た別棟の貸切浴室が3つある。この日の客は5カップルの10人で3つの貸切風呂のうち2つにお湯が張ってあった。そのうち半露天の「蛍の湯」からは海が見え、幸いにも日の出の時間に丁度空いていたのでお湯に浸かって太平洋から昇るご来光を拝むことができた。温泉好きとしては至福の一時だった。もう一つの貸切風呂は陶器の丸い浴槽である。「織部の湯」というから織部焼なのだろう。緑系の織部焼きらしい色をしていた。
 
伊豆高原温泉 <高原の湯>

 南伊豆からの帰り道は東海岸を走る国道135を選んだ。海が見える方が走るのに気持ちが良いという単純な理由である。前回は熱川温泉で立ち寄り湯をしたので、今回は少し北寄りの「伊豆高原の湯」に立ち寄った。以前行ったことがあり良い露天があったことを思い出したからである。温泉館は国道脇にあり便利は良い。件の露天は広い庭園の斜面に三つの凝った造りの露天岩風呂が棚田のように配置されている。最下段の岩風呂には丸太が二本浮かんでいた。東北で金精様を浮かべた温泉に入ったことがあったが、ここのは1.5米くらいの単純な丸太である。意味が分からなかったので帰りがけにフロントで尋ねたら「ながいき」のおまじないだとか。
 まじないだけで長生きできれば世話はないがそうはいくまい。三度の食事はちゃんと摂らなければ。真鶴の旧道沿いの食堂に寄って海鮮丼を食した。

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